国家公務員の一般職・総合職(キャリア組・ノンミャリア組)ごとの仕事内容の違いや残業、やりがいについて

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今日は私が以前勤めていた国家公務員の仕事内容についてです。これから勤める人や今後就活をする人などは気になることだと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

国家公務員について

キャリア組・ノンキャリア組について

まず、国家公務員は一般職と総合職があり、いわゆるキャリアとノンキャリアという分けがあります。

キャリアとはいわゆる事務次官など、国の事務方の幹部候補といったイメージになります。幹部候補なので、当然出世も早く、求められる仕事もより重要な仕事となり、その省庁の施策などの根幹をある程度決定する仕事ができます。

例えば、今後どのような事業を行っていくのか、政府としての方針がある程度定められると、キャリア組が具体的な方策について提案していきます。

例えば、まち・ひと・しごと政策や、コンパクトシティ政策、一億総活躍社会、働き方改革は、政府の上、いわゆる総理などがこういったことをすすめるという方針を打ち出し、キャリア組が実際の実務を行い、細かい事業などを計画していきます。

そのため、昇進がとても早く、若くしてその島の実務代表者などになるなど、大変な部分がありますが、日本の政策でどのようなことを行うかなどをある程度考えられるので、とてもやりがいのあるポジションとなります。

それでも、下っ端ですと、アンケートの取りまとめや委員会の委員さんへの委嘱などキャリアではなくてもできる仕事をこなさないといけません。

キャリア組になるためには

キャリア組になるためには、入庁の時からキャリア組に入る試験を受けて合格しなければなりません。筆記試験と面接に合格後に、再び今度は各省庁の面接を受けに行きます。

最初の試験の倍率はそこまででもないのですが、各省庁の面接での倍率はとても高く、合格するまでになんども面接をした同期もいました。

そして晴れて合格をし、入庁となりますが、入庁した同期のキャリア組は大体が東大や早稲田などの高学歴の人になります。キャリア組の試験に合格しても、どの大学を卒業しているかによってある程度進路や昇進も決まる世界となっています。

なので、どの大学に入学するかというところから、将来の昇進ルートがある程度決まってしまうことにもなります。

入庁しても、キャリアには大学ごとの会合があるのが特殊な世界だと思います。

このように、入庁する時の入り口から決まってしまいますので、どんなに仕事ができて上司に認められても、ノンキャリア組として入庁してしまえば、キャリア組のような昇進はできませんし、例え、仕事ができる優秀な人でも、政策を打ち出し決定するなどの重大な仕事がなかなかできない環境となっています。

正直東大を卒業してても仕事がてんでだめな人が重要なポジションについていて、高卒でも仕事ができる地頭のいい人が庶務などの雑用をこなしているのを見ると本当にもったいないなと思ってしまいます。

キャリア、ノンキャリアを廃止しろとは言いません。廃止すれば、誰を幹部候補として育てるのかの判断に時間がかかるし苦労するのはわかるので。

ただ、ノンキャリアでも優秀な人にはそれなりの役職を与えられるような柔軟さが今後は必要になるのではないかなと思いました。

ノンキャリア組の仕事

ノンキャリア組の仕事は、正直誰でもできるような仕事となっています。

例えば庁舎の管理担当であれば、施設の点検などを行うために業者と契約をして業者にエレベーターの点検をしてもらうようにしたり、空調の点検、電話やその他の電気設備の維持を業者に依頼する等です。

他には、清掃や警備会社と契約をし、業務の調整など(例年行っているので、大した調整はありませんが。)

また、会議室の貸し借りや鍵の貸し出しなど、正直少しやり方を教えて貰えば誰でもできるような仕事を任されます。

はっきり言って、派遣の方を雇った方が雇用が生まれますし、その他の行き届いていない残業が発生するような係に柔軟に回すなどすべきなのですが、人事の関係でなかなかそこまで柔軟にできないのが実情です。

少し話が逸れましたが、他の仕事としましては、予算関係の仕事などですかね。

予算がどれくらいかかるか業者から見積もりをもらい担当部局の予算係に提出したり、契約の準備を行い業者と契約をしたり、支払いを行うための書類を準備したり、職員が出張に行くための申請と出張に行った後の支払い関係の書類を整えたりと、そのような裏からの仕事をしている人がほとんどで、正直誰でもできる、国家公務員だからできる仕事ではない仕事を行っている人がほとんどです。

私がびっくりしたのは、予算書を作成するいわゆる省庁のとりまとめの部署が泊まりがけで仕事をしているのをよく見かけましたが、残っている理由の一つに、国会に提出する予算書の文言に間違いがないか確認するというものでした。

その間違えを探すレベルが、数字が半角や全角など、昔の大きさと変わっていないか、文言が過去の元の比べて一字一句間違えていないかなどを確認するというものでした。

予算についての説明文なので、ある程度間違えていなければいいと思うのですが、一字一句間違えがないか探すためになんども確認をし、大人数で読み合わせを行っていました。

はっきりいって、異常ですよね…

読み合わせが終わった後には、過去の予算書と新しい予算書の元になる原稿を重ね合わせながら確認をしているような時も見受けられ、すこし限度を超しているようにも見えました。

そのような仕事に職員が1ヶ月泊まりがけで、毎日3時間くらいしか寝ていないといった生活を見ると、少し虚しくなったことを覚えています。

月の残業は平気で100時間を超えたりもしていたはずです。

完全にブラック企業ですよね。

そして間違えがないか紙を重ね合わせて確認するという原始的な仕事をしていますし、まったく生産性がない仕事だなと思いましたし、そんな仕事を誰から求められているのか、昔からの慣例で行ってしまっているのかななどと、いろいろと考えてしまいました。

とにかく、そんな仕事をやらざるを得ない職員がかわいそうでしょうがなかったですね。

仕事ができる職員も多く、本当にもったいないなと思いました。

世の中の国民に役に立つ仕事をしているのか、なんのためにこんな仕事をしているんだろう、生産性がなくて本当に無駄な業務だ、人件費がもったいない、など精神的に追い詰められてやめてしまう職員を何人も見ました。

いろいろ国家公務員の嫌な面を話したので、すこし脅しのようになってしまったかもしれませんが、それぐらいなるには覚悟がいる職業だと思います。

公務員と聞くと定時退庁、有給が全部使えてとかいうイメージかと思いますが、真逆です。

当時、民間の地元の友達に話しをすると、大手から中小企業の友人全てに同情されました。

ここまでのブラック企業に勤めている友人は私の友人の中にはいませんでした。

なかなかやばい職業だということがわかります。

国家公務員は想像しているような華やかな仕事ではなく、むしろ決められた仕事を絶対にミスなく行うという代わり映えのない毎日で、ストレスが溜まる毎日を過ごすことになるため、よほど国のために働きたいと思う人や、国という組織で働きたいという強い希望を持った人でないと続かないと思っています。

安定や名誉を求めているだけの人はやめておいたほうが本当にいいと思います。

私なんかは、国家公務員という肩書きがかっこいいからという不純な動機で勤めていたため、働くことが苦痛でした。

ぜひ、これから国家公務員を目指す方は、国家公務員という肩書きがかっこいいから、他人に自慢できるからというそれだけの理由では目指さないほうがいいかと思います。

それであれば、システムエンジニアなど、手に職を付けられるほうが今後の人生を有利にできると思いますし、やりがいもあると思います。

友人でSEに転職した人がいますが、とても大変そうですが、やりがいがあると喜んでいます。

国家公務員は、本当になりたい理由が明確にある方が目指さないと続かない場所だと思いますので、これから受験する人はぜひ参考にしていただければと思います。

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